テロリストの恋/狩心
下りる
わたしの目に
シャッターは要らない
おまえの目に
カメラのファインダーを取り付けて
意味の分からない質問を羅列してほしい
土下座して
わたしの前で
本当は
君のセックスの意味を知っていた
ただ
僕たちは、立ち上がる事ができなかった
両足を撃ち抜かれて
ガクガクしながら歩いてた
事実、歩いていなかった
浮遊していた
新宿や渋谷、原宿の雑踏で
戦時中、敵国で誰にも看取られずに死んだあの日本兵のように
心の中を彷徨った
血迷いながら血走っていた
血に飢えていた
誰かの血を吸わないと生きていけないのだと
恐怖していた
全て過去だった
過去が町中に
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