連綿不在/本木はじめ
待ち合わせ場所はどこかの曇り空ばかりが続く駅かバス停
大波が小波を飲み込むように冬 芒ヶ原に消えゆくふたり
砂浜に打ち上げられる夕焼けの淡い波間に拒まれながら
恋人とゆったり昼寝するまひる 巨大タンカー上の雨雲
ユリイカじゃないんだ過去世その通り秘密の密は蜜に似ている
着信音途切れ途 切れに暗闇へ消えゆく風の轟く井戸へ
誰ひとりいない荒野で目覚めれば千年杉のごとき虚無感
不都合な予定と予定でないものがひしめきうごめく人類関係
病室に微かに響くさざなみを明日にさよなら言うひとと聴く
心地よい音楽まるで暖かい水中に咲くマリーゴールド
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