うみのもの/
草野大悟
かすかに
しおのにおいがする
ちりちりと
おもいでが
こげてゆく
ちょうをひきずったなまこが
ぶらっくほーるへとほふくし
いるかが
わらいながら
ただよっている
やがて
いつか
きっと
みじんこは
きょうも
てつあれいを
もちあげる
ぼくらは
うみから
うまれてきた
ぼくらは
ほしから
うまれてきた
ぼくらは
いつも
にじを
おっていた
ぼくらは
いつも
いぐらどしるで
あそんでいた
かぜと
くもと
きぎのかおりと
うみのものを
みちづれに
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