瞼の向こう側/
快晴
果てしない虚しさを抱え
今、ここに生きている
悲しみは何物にも宿るが
虚しさは人の心にしか宿らない
どこまでもまとわり続ける
過去という名の悲しい亡霊
今にも千切れそうな胸を軋ませ
私はまた速度を高める
手で触れられる物だけを
決して信じてはいけない
本当に信じられる物など
誰にもきっと見えはしない
だからその瞳をそっと閉じ
瞼の裏に映る物だけを
信じて歩いて行けばいい
たとえそこに答えはなくても
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