風穴/
さくらほ
どんなに遠回りしても
一年は一年でしかなく
散る事を恐れて蒔かれなかった種は
小さな袋の中で眠っている
カサカサと乾いた音
掌にこぼす種
指でつまんだそれは驚くほど小さくて頼りない
空っぽの種
言い訳尽きたら風を呼べ
明け方に見る夢はいつも一人
拳を握り立っている
戻る
編
削
Point
(7)