キヲク/望月 ゆき
 
見上げると
空は昼寝をしていて
そのすきに
雲は氷になっていた

このごろは
どうにも喉がかわくんだよ、
と手を伸ばしても


涼しいかたまりが
つるんと通りすぎて
ぼくはまた
背中を見つけてしまう


きみがいたあの頃も
喉はかわいていた
のだろうけど
もう何もおぼえていない

何も おぼえていないんだ

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