ミルク色の湯気/
いねむり猫
まだ だれも起きださない早朝
休日の弛緩の中でお風呂の湯に滑り込む
朝日が差し込むまぶしい浴室
光を吸って立ち上る湯気たちの
白い粒子一粒一粒
緩やかな螺旋の舞
まだ 静かで だれにも踏み込まれていない時間
雪の日の草原の無垢
抜け出してきた寝床より 少しだけ暖かい湯のやさしさ
ゆっくり 眠りと覚醒の狭間を行き来する
真冬のアジアンタム
窓辺の美しい緑の葉が
立ち上るミルク色の湯気の中で
光を吸っている
何も考えず 耳をすませる時間
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