ノート(白雨)/
木立 悟
声と匂いに光を知る
曇は震えに飾られる
遠い遠い緑の音
髪に隠れた迷い子の背
水に映る木々の声
乱す足で雨を歩む
左目の下
気泡の翼
水の重みに
葉と葉は触れて
昇る水と降りる水とが
出会う場所に無常は咲く
空の半分を隠してはばたく
凍った平穏を溶かす白
雨の原をゆく迷い子の
小さな背に照りかえす
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