誰そ彼(たそがれ)/
LEO
薄紅そまる風の道
夕闇せまる草の道
落日の片隅に
佇む人の
瞳に映る翼の模様
羽ばたく視線は
彼方を知らない
澄まして聞こえぬ
その名のみ
凝らして見えぬ
その姿のみ
悲しく夜の訪れに
願いの数ほど
容易く点る窓明かり
星より近く
想うに遠く
優しさを隠して
鈍色おちる草の道
静かにねむる風の道
夜闇の中で
迷う人の
伏せる睫のその先に
朝(あした)の滴が
微かな産声をあげたのに
気づくのは
戻る
編
削
Point
(12)