そろもん(麺の歌)/みつべえ
若いときいちばん食べた即席麺は日清のあれではなくサンヨーのサッポロラーメン醤油味だった。
大きめの丼に粉末スープと麺をいれ刻みネギをのせスパイスをふりかけてから熱湯をたっぷり注ぎ
大学ノートで蓋をしてその上に月刊アフタヌーンくらいの重さの本をおき三十分間放置するのがミソ。
いよいよふやけてフニャフニャになった得も言われぬ食感のそれをツマミにカップ酒をチビチビ
やりながら例えばトールキンの「Unfinished Tales」なんぞを読むのがツウというものであった。
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