踏み切りを待つ/カンチェルスキス
 



 
 踏み切りを待つおれはばつの悪い思いをしている
 おれは焼酎の入ったスーパーの袋を提げている
 おれの後ろには車の列が何台か続いて
 犯罪者を追跡して喜ぶ公僕のように
 執拗におれの背中をライトで照らしている
 車の中で明滅するちっちゃなテレビのニュース画面
 電車は来るつもりがあるのかないのか
 上りも下りの矢印も赤く点灯している
 踏み切りの棒の黄色と黒を交互におれは目で追っていく
 最後は黒で終わり、おれは踏み切りのを音を聴くのを忘れてた
 踏み切りの棒からぶら下がっている 「しばらくお待ちください」の札
 おれは通過する車輪を見ている おれは待ってい
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