予言ライフ/佐々木妖精
 

見渡した
あの隙間

融雪ホースが
深く積もった昨日を
バカ正直に教えてくれる

から

もう迷子には
なれないんだ
なあと
スニーカーを
蹴り上げる

切り忘れていた爪に引っ掛かり
その角度からして裏向きに落ち
間違いなく雪溜まりへ落下して
靴下は重い風邪を引くであろう

滞空時間で予言し
的中する喜びと
裏っかわの希望へ
潜り込める安らぎを
味わうかのように
ゆうっくり足をおろす




靴が
斜めに突き刺さるという
裏切られた墓標に
予言者は笑みを浮かべ
埋もれていく
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