予言ライフ/佐々木妖精
寒気が
どっさり
目覚まし時計を押しのけ
郵便受けには
号外の雪が
詰め込まれている
のだろう
起きぬけのトイレから
スニーカーをつっかけ
目を閉じて
つま先からゆっくり踏みしめ
見上げる
一秒後も降ってま
す
した
す
した
す
した
的中した結果をたたえ
凍りついた自転車へ
動けないよと宣告し
四行におよぶ厳粛な詩を
白インクでサドルに刻む
まつ毛にたゆたう
くすぐったい液体を
こぶしでぬぐい
袖口に鼻水をこすりつける
であろう
やっぱりそうであったろう
という予言を
すみやかに実行し終え
達観し
見
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