遺書1/AKiHiCo
 
お願いだよお願いだよ
口には出せない思いって
本当に在るんだ
世間から迫害されちゃって
もう誰も
僕の言う事を信じは
しない――

あれから僕は胸が軋んで
悪夢に魘されて
彼さえ居なければって
独りきり部屋で泣いた

それでも僕を心配してくれる
そんな人達が少しだけ、居る
だけどねだけどね
もう僕、限界だと感じたよ
口には出せなかったけど

もう気付いていたかな、
この器は随分前に割れてしまって
いたんだよ

本当はまだ少し怖いんだ
死んだらどうなるのかとか
考えると足は竦んじゃう

遺書には必ず彼の名前を記すさ
僕が死ぬ事で彼が罪を背負うなら
無駄死ににはしたくない
僕が見事死ねたら

それだけを信じて
ここに遺書を残します
戻る   Point(2)