自鳴琴の夜/まどろむ海月
 


 白磁の花瓶は
 花を散らしながら
 闇に落ちていった





その調べはあまりに甘く
右手に月影 左手に星影を浮かべ
微笑みながら君は回転を早める
くるる るる くる
実存から永遠への
坩堝を墜落しながら



 カタカタと鳴る
 脳髄まで暴かれたが
 愛は見つからない
 あいはみつからない
  I lost your ・・
 自動人形を操るのは
 螺旋状の自然力
 撥条仕掛の笑みにも
 ばねじかけのえみにも
 骨牌の理性にも
 カルタノリセイニモ
 刻印された謎がある

 渦巻く霧の中
 植物模様に変化する
 掠れがち
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