普賢菩薩と桜/アハウ
竹 光る 竹林
奥深く
開けた場所
みみを澄ますと 聴こえ始める
大白法の 南無妙法蓮華経
なな色の虹の天蓋に つつまれて
美少の少年 結跏趺坐し
お祈り 申し上げます
竹 光る 竹林
黄金の華光 やわらかに 発し
蝉の胸のように共鳴し
ひたむきに せいじつに
金波の波動 波のように染み渡り
この竹林から こぼれ こぼれ 漏れ伝う
一尾のにょしょう土蜘蛛 呼ばわれた如く
暗く湿った巣穴より 這い出て
普賢菩薩の右腕に取り付く
愛寂 示すその姿に
気 乱るるも
親愛の情 湧いて
彼 にょしょう土蜘蛛の体に入る
暗く 取
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)