ハレルヤ/揚羽 欄符
 
キン、と手が凍る夜
決まって裸の木になって
斑になった空の隙間に
貴方を探し始めます。


「いらっしゃいますか、まだそこに」


三日月が私に笑顔を向けて
安堵したのは数日、後(のち)
透き通ったカラ風が
纏わりついてしまいます。
あなたの吐く体温が、星が
見えないからだという事に
ネオンに紛れた私の口は
堪(たま)らず産声あげました。


「いらっしゃいますか、まだそこに」


白く
白く
貴方が雲で見えなくて
酷い雨が降っています。
白く

白く

それはもう、真っさら。
真っ青。

夜を薄めた昼間の空は
あまりに綺麗な快晴で
私は空を歩くため
水溜りを踏みました。

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