頭を打った日/猫のひたい撫でるたま子
 

容赦の無い、快楽か小説

容赦の無い快楽が、小説

容赦の無い快楽と小説



忘れたことは、もう忘れているから、何を忘れたのかを思い出すことはできない


額をぶつけて、消えない小さな傷が残った


一見やさしい彼はあなたは被害者だといった

一見冷たい彼は、これから記憶がどんどん無くなっていくけど気にするな、といった

救急車のおじさんは笑える元気があるなら大丈夫、といった

病院まで付き添ってくれた彼女は一万円を握らせて、家に帰りなさいといった

病院から帰ってきてたまたま居合わせた人たちは、なんだいつもどうりじゃん、といった

私の額に傷
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