イマジネイションの腐海/エチカ
 
トールを渡す。
シーラカンスはそれをざぶりと浴びて酸の海から消えた。
黄色い光を浴びなくては。
幸福の入り江に向かうシーラカンス。
赤いランプの中で私は電話をする。

「もしもし、
 光を浴びてください、幸福の。 
 腐海の底で待っています。」

私は印画紙を用意して、自分の手を見つめなおす。
まっかだ。何もかも。
白亜紀に住んだ住人の墓場が、長いリぃるに巻かれてしまっている。
単純な作業を繰り返す記憶のフィルム。
イマジネイションを正常に解除して、30秒後に現れる期限切れの腐海。
電話が鳴って私はつぶやく。


「シーラカンスは死にました。」


私は腐海のエトセトラ。
次の電話を待っています。


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