懐中時計/
具壱言
八万六千四百回世界を走るやせっぽち
千四百四十回世界を巡るのっぽ
それから二十四回世界を歩くおちびさん
長旅に疲れたのか
急ぎ足、時々一休み
ひんやりとした金属の感触
鈍い金色
手のひらにちょうど収まるサイズ
少し古めかしい文字盤には
これまた古めかしいローマ数字
一年前も
昨日も
そして、今も
私の手のひらの中
三人の旅人は歩き続けている
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