風邪の日のスカイフィッシュ/
 



三十七度五分の微熱を利用して
交信を試みてみよう
見えないスピードで世界を飛びまわるという
スカイフィッシュ
窓の外に広がる空


誰の目にも止まらないけれど
ただ飛んでゆく
見えるのは
目を閉じて広がる宇宙を
まっさかさまにしてみた
そんなぼくだけ


ちがうんだ
ただよい続けているのではなく
もういいかげん
確認しておくれよという
未確認飛行動物からの
悲しい
テレパシーだから
キャッチして


浮遊する風船
ただよう雲の切れはし
人工衛星
金星のきらめき


星になりたかったなんて
言うなよ
ねえ 
飛んでゆく
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