108/
望月 ゆき
はかりしれないほど
白い カール
次の瞬間にはもう散り散りに
泡
退屈だから
ゲームでもしよう
三角波を数えて
せーの、で
ライド
今ならまだ
右にも左にも
踏み出せる
生まれた瞬間
エネルギーを放出し
波頭は白く
散り 逝く
いつだって
目標の一歩手前で
日が暮れて
さよなら
それがイケてるシナリオ、
そうだろ
夏の夜
海の写真集のページをめくると
はるか遠くに
108つ目の波が砕ける音を
聞いたような気がして、
窓をあけた
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