むすび たかなり/木立 悟
 




見えぬ鳥いだく重みに耐えかねて歩み止めし時そは飛び去りぬ



一枚を破いたはずが二枚なりお前をどこに葬ればいい



あなたにはあなたの石がわからないあなたの水に削れゆくまま



ほつれ髪ほつれる光ほどいては影に遊びをせがむ猫かな



光から光を後に飛び退る光なき陽の敲く冬の音(ね)



雪が雪に泪が泪に応えゆく言わずともよい言わずともよい



目をふせたまなざしの幸うすき日よ子の指さきに廻る風花



音こぼす子の手のひらに手をあててこぼれるばかりふたつたかなり



ただ結べ結びゆくままただ結べ帰らざるままこの冬のまま











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