変わるくらい/佐々木妖精
 
遊ぶと
声をかけてくる人や
ぶん殴ってくる人がいて
これは鳴るんだと気づき
舌と穴の角度や振動を自室で試す

粉雪が頬に突き刺さる中
丈の短いスカートを見かけ
イジメの一環としてはかされているのではないかと
トローチの穴を全開にして鳴らす

恋人の耳元で半分穴を塞ぎ
俺は高校くらいまでロリコンだったんだぜって
好きになった同級生の名を吹き込む

ネクタイを締めて
トローチをしたに隠す



そのくせたまにちらつかせて

それおはじきやないか

そう上から覗き込んでくれる先生を
まだ求めていたりする

トローチが溶ける気配はなく
噛み砕くべきか考えている
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