今/蒼木りん
 
星月を見たいときには

その場所までいける 

そのことの

幸せ

美しく染まる水色の朝に

生まれた紅の光に見惚れることのできる日々の

その

幸せ


しかし 夜には 

部屋の隅に忍び込んでくる寒さ

膨らむ 

わからない苛立ち 

言葉を探し求める

縛っているものは何だろう


わたしが わたしである為に生まれ生きるはずであるのに

わずかに そうあるときの悦びの中にいれば

目を凝らして外界を見よと警告され

人の言うように尽くそうとすれば

すべて尽くしきれない不甲斐無さに泣けてくる

遮るものの
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