古い写真のこと 思い出のこと 憧れのこと/水町綜助
指でつよく弾いた煙草追い風に乗って
柵の向こうの砂利に落っこちた
よく晴れた日
めずらしく暖かい日差しのなかで
弾かれた煙草ゆらゆらとのぼる煙
柵にもたれ掛かるのは僕
ともだちは後ろを向いて瞼を閉じる
日常の先の方
間違っていなければたぶん一番新しい自分
僕の知っているたくさんのひとたちは今どうしていることだろう
深い街の中で
進み続けているんだろうか
日の当たる丘の上で
机の上に山積みの書類を乗せて
そこに悲しい出来事と思いを混ぜ合わせ処理してるんだろうか
インクは切れてしまうよ
コラージュされる様々
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