sketches/鴫澤初音
 
謝ることじゃないけど、あれは、私にとっては
    少しも楽しくなかったから。ごめんね。だけどあなたは
    いつだって自分のことしか考えてなかった。だから今はもう
    その首筋にキスしたいなんて思わなくなった。

    そうね、私は君を思い続けていて、いいのかもしれない。
    それが私の運命だと、もう思うことにしたよ。
    センチメンタルでも構わない。君がその柔かな唇を私に
    本当に、本当に心からしのばせてくれることを思ってさ。


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  パンツをはかないで眠る腕の中、
  揃った足先で布団を蹴ってベッドから落ちていく
  夜
  君が小さな電灯をともして 私を殴る
 
  愛している
  いつまでも

  好きだよ それから
  また殴ってよ


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