海に臨む/
霜天
大きな円を描いて
ゆっくりとゆっくりと
海沿いの風車
丘の上から
当たり前にそこにある日々とか
ここで今に生きてることとか
海に臨んで
やわらかい強風に
回転している
いつか遠くで呼ぶ声のような
一瞬の懐かしさで
ごうごうと鳴る風に
呼ばれて誘われて
海に臨んで
手を広げる
私の中の
瞬間の通りすがりの人や
長居する人を
見上げるように眺めながら
回転しているのは
私なのか
大きな円を描いて
思い返す
ゆっくりとゆっくりと
海のそばから
戻る
編
削
Point
(6)