告白/玲瓏
 
 鎧に突き立てた刃
 カスカな鉄の響きを奏で朽ちる
 無様に砕け落ちる刃の破片
 映し出される情けない男の顔

「やっぱり、ダメなんだね」
 
 響く女の声
 
 もう挑まなくてもいいのかもしれない
 もう傷つくことはいやだろう?
 
 それでも男は なみだを振り払う 
 
 それでもおれは 男だろう?
 
 背中に在るもうひとつの刃に手を伸ばす
 最後の一振りを握る
 
 冷たい
 そして震えている
 
 だが

 不思議と逃げる気は起きない
 
 多分 あの女のおかげで そう思えたのかもしれない
 
 再び立ち上がる

 二度目の刃
 結末は女が知る
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