獅子舞 /
服部 剛
くりたいです・・・! 」
たくさんの皺(しわ)の手で織り成す
大きな拍手の波が
暖かかった
一人ひとりのお年寄りを
家に送り終え
同僚も帰り静まり返った廊下に
今日被った獅子が
床にぺたりと顎(あご)をのせ
くたびれていた
更衣室へ通り過ぎるぼくは
しゃがんで(ありがとう・・・)
獅子の頭を手で撫でる
日中被った獅子の顔で
ひとりのお婆ちゃんを噛んだ時
赤い口の中にすっぽり納まった
白髪の頭を
撫でたように
戻る
編
削
Point
(1)