牧場/鎖骨
ノートの罫線は羊を囲い飼いするための柵で、わたしも
沢山の線を並べて眠らない羊を囲っている
放牧という体裁で、でも消しゴム(力)を楯にしてどうにか飼いならそうと
試みてしまうことが多々あって、その都度
思いもしなかったやり方で牧場をかき混ぜるだけに終始して
今では景観はおろか羊に食べさせるための草も生えない
地肌はあらわになりそこここに礫が転がって
冷え冷えするほどに暗くて深そうな穴も開いてはいるけど
どうして羊たちはまだ生きている 変わらぬ仏頂面で
メェと鳴けるし排泄もする
唯つまらない指だけが途方もない空を
低く重苦しく感じて潰れていく
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