決断/湾鶴
 
僕は 扉にふれないよう
お腹をへこませて 体を滑り込ませた
 

まぶしい

いつ 夜が明けたのか
とても晴れいて 太陽
遠くで時鐘が 聴こえる
ちょうど何時か なのだろう

ひどく散らかった家と庭
ひとつずつ 確認
カレンダー、ティーカップ、木製の玩具・・・
醤油瓶、脱ぎ捨てられたままのシャツ・・・
すべて ほこりが沈殿
床にも 砂と 
皮靴・・・すこし大きい

くしゃみが とまらない
昔、誰かが住んでいたようだ
出口はあるのだろう
そして 思ったよりも ここは広い

まずは ほうき と ちりとり から 
生活を はじめよう




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