決断/湾鶴
 
けっして 関わってはいけない
猫の葉で覆われた扉は
口が半開き

あの扉の向こうには
きっと ばけもの が
うじゃうじゃ いて
ひどい言葉をあびせたり
かなしいことや 暴力にも 
うんと がまんしないと いけないだろう
たくさん泣いて謝っても
ゆるしてくれず
そんなところに入った
お前が悪いのだと 
傷だらけの足を さする僕の手だけが
頼りになるだろう

だけど どうしても
やわらかに漏れる 窓の明
信じても いい
暗闇に 蛍が舞う

猫は囁く 出口は無い
扉は囁く それが答え
窓は囁く 感じなさい
蛍は   舞う

ドゲが風にゆらいだ
僕は
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