ノート(白路)/
木立 悟
少しうつろに離されている
夜はいつも目の前を往く
あらゆる段差に驚かぬよう
強く強く歯をくいしばる
割れては集まる動きのなかで
曇は水に近づいてゆく
昨日消えたしたたりが
今日のしたたりに現われる
さえずるものがくる
吠えるものがくる
だが人はやってはこない
ただ夜だけがやってくる
ほの白い路をやってくる
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