遺書/AKiHiCo
悲しみの筆を執ろう
白い便箋に文字を並べ
心の内を今
ようやく語ろうと思う
書き終えたら僕は
次の準備をしなくては
背中に見えない羽を
どうか安らかに
空を舞えるように
いくら時が過ぎても
消える事のない憎しみ
裏切られた事実は消えない
僕は元々欠陥品だ
社会に適応出来ずいつも独り
誰かと判り合うなんて
出来る訳なかったんだよ
こんな僕では生き続けるのは
あまりにも辛すぎるから
死んだって誰も涙を流さないから
風を感じたら靴の下に遺書を
今日は晴天、飛ぶには丁度いい
一瞬脳裏に何かが過ぎる
それを振り切って羽を拡げる
逃げと言われたらそうだろう
逃げてはいけない事はない
僕はそう逃げている
今を生きるのにもう疲れたんだ
地面に着いたら僕の体
一体どうなっているだろう
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