年賀状/チアーヌ
立派な彼の「自慢の彼女」になるには役不足なのかなあと
漠然と思っていたから
そういうことが積もり積もって自分に自信を無くしたから
一緒にいるのがイヤになってしまった
恋は勝ち負けではないというのは当然のことだけど
振られたことがよほど悔しかったのか
それともわたしに未練があるのか
もう興味はないわ
そう言ってあげる代わりに
どんなに連絡があっても
長いこと無視してあげた
最後に彼と会ったのはずいぶんあとのことで
北向きの薄暗い喫茶店の明かりの中
10歳も年上のあなたはいい年をして相変わらず独身で
他人行儀な態度を崩さないわたしに
何度も何度も「可愛い」
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