雨足/生田
 
原点風景というものが
誰の胸にもある

どのように、どれほどに、遠く離れようと
消えてはくれない景色がある

この胸に

掻き毟れど肉とともに解けることなく
撃ち抜けど血とともに流れることなく

在りつづける


私はその風景を眺め続けている
三十と限った人生のうちに
この景色から抜け出せるだろうか、と
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