ノート(火音)/木立 悟
 




光のにおいを
燃やすにおい
雪のにおい
水のにおい


空の青を掻く
音だけの吹雪
足もとにすがる
片羽の群れ


かがやきのない
氷の雲から
落ちてくる虹
曇を見る虹


見知らぬかたち
ほどけては色
またたくまの花
またたくまの空


淵へ淵へと
惹かれる心
鈍いだく声
こがね果つ声


道の曇を数える手
すぎる羽に触れては香る
燃やし尽くせぬ灰や灰
まぶたの内に鳴り響く













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