淡い神話/塔野夏子
 



やわらかな午後の風が吹きこむ窓のそばの

薔薇色の安楽椅子でまどろんでいる地球に

影をもたない人がひとり そっと近づいて

あえかな接吻をひとつ 残して立ち去った





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