狂ってなんかいないよ、君は僕だもの。/朽木 裕
 
帰るんだ。
もう一週間も続けてる。

ああ、これを視てるのは今じゃない。
昨日、いやおとついか?
脳に焼き付いてる。

「…隅田?どうかしたのか?」

「ん、いや何でもねーけど」

目、曇ってる。大丈夫か、と云って本当の本気で
心配そうに泣きそうになるセイ。

本当にコイツはどれだけ人のこと心配する気なんだろ。
その心配の100倍くらい自分のこと心配した方がいいに
決まってるっつーのに。

俺には感情があちこち欠落してる。
自称だが。バグだ。欠陥品。
狂って生まれたんだから狂いながら生きて
狂いながら死ぬんだろう。
ま、誰しも人間そんなもんだ。


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