逆さの海 そして 置き去り/かど
自然消滅してしまいましたとさ っていうかたしかそんな感じで
銀座線のホームの中
今でも僕はあの頃のたくさんの言葉達が見つかるかもしれないと思い何も無い空間をチラッチラと盗み見ている
そしてたまには見つけ出したりしてる
これは過去の話だ
そして特に何の変哲も無い良くある話だ
物思いに耽ってボーっとしている僕の前を ああ 電車が通り過ぎていく
プラットホームの中喧騒を切り裂いていく夜の電車に
その背中に過去の言葉達が隠されてる気がして
手を伸ばしてみたけど
何にも見つからなかった
そうして思い出は僕達を置き去りにして行き
遠ざかるたびに 美化されていくんだ
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