12(ディッセンバー)/nm6
トゥウェンティ・ファイヴ、君はメリーだがぼくはトニーではない。風がくろい。メリーなのは雑踏で、豆電球がぼんやりと致している。ぼんやりと致している先のスーパーのレジ打ちさえメリーで、くたびれた赤にかぶさり、ああ、風はくろい。一枚ずつ戻るメリーな記憶も今年だけが流水に堆積するように、サラサラ、と、流れて、風がくろい、ああ、吊るされたメリーがあまりに無題なので、そういえば思い出した。
サーティー・ワン、イヤーが通り過ぎて地球ごとペラリとめくれていく。風はしろい。翻弄するイヤーの結末で、豆電球は相変わらず致している。相変わらず致している先の白木屋の店員さえイヤーが、またがる白に振
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