ひとつひとり/石畑由紀子
 
 
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで
彼とは付きあっていたけれど
そんなことをぼんやり考えることもできるような
状態でもあったわけで


ひとつになったんだね


この言葉を最初に考えたひとは
なんにも知らないひとだ

想うより想われたほうがしあわせよ、とあの日
私を祝ったひとも
なんにも知らないひとだ

それとも
重ねすぎて
目をふせる
ほかなかったのか



   *


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