ペダル/手乗川文鳥
情緒に問題あり、と
言われた、三者面談で
帰り道、お母さんが
泣いていた、自転車の
荷台で、情緒の意味を
分かりかねていた
テンイヤーズオールド
西日のまぶしさだけ
息が詰まった
ノートに書きためた、詩を
読んで、と言われて
読んだ、特に何も
思わなくて、黙っていたら
彼は、自転車を蹴ってった
わたしは、車道に転げた
セブンティーンイヤーズオールド
排気ガスの高さで
呼吸していた
どうしても、と言われて
酔った友だちに、押さえ込まれた
学祭で買ったばかりの、ピアスが
片方なくなって、翌朝
友だちは、何故いるのかと問いただし
[次のページ]
戻る 編 削 Point(39)