俯瞰/
山中 烏流
爪痕が語るものは
繰り返し流れる
静寂のようだ
見下すあの瞳は
何よりも私である気が、する
同時に
何よりも私でない気も、
している
確かめる感触は
遠くなる程、明らかになる
その余韻を引き摺るように
私は限りなく
近付いてしまう
しまうから、
そして
/
箱庭の中は
捕らわれることなき、
牢獄に似ている
歩き回る影は
何処までも私に似ていた
しかし、
それが私であると
誰が言えるだろうか
/
嗚呼、また
見詰め合っている。
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