支払い/狩心
壁を打ち壊した 家は必要なかった
支払うものは何も無い 命ならば既に支払った 鼓動は止まった
子供は止まった 歩道で 家に帰らない事を決めた 子供は
産卵を始めた 陸上を水中と定めて えら呼吸を始めた
臓器提供で肺を 金に替えて 世界中の海にばら撒いた
人間になりたくなかった ミミズのような体が
全身で光を感じていた 目は必要なかった
土に帰りたかった そこは家ではなかった
水の無い檻の中ではなかった
深い深い海の底 宇宙そのものだった 自分が消えた時に
本当の自分が帰ってくる
恥ずかしながらも俺は 町のど真ん中で 大声で泣いた
その時 チンコ丸出しだった
支
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)