悲しい病室/
AKiHiCo
の腕を摑みます
何となく判りました
これから起こる出来事は
女性と僕だけの秘密にしましょう
僕、誰にも言いませんから
どうぞお遣りになって下さい
身体から管が抜かれ
液体が床にぽたりぽたり
ベルの大きな音が
病室を埋め尽くしてゆきます
「産まなきゃよかったよ」
そう言って病室から僕を置いて
出て行ってしまいました
だんだん苦しくなる呼吸
鼓動が早く高く焦燥感
まだ逝きたくない
まだ、おかあさんに
頭を
撫でて
もらってない
のに
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