角砂糖/蒼木りん
 
昔の喫茶店のような 
雰囲気を味わいたくて
コーヒーには 角砂糖を入れたかった。

角砂糖を入れたガラス瓶も
胸が きゅっとする。

ミルクは まだ入れずに
昔、
どこの喫茶店でも使っていた
あの、白いカップに満たされたコーヒーに
角砂糖をスプーンにのせて 
少しずつ溶かす。


崩れてゆく。


小さな..

なんだろう?

それを
何かにすり替えている。



喫茶店の席は
窓際で、

高いところで、

街並みやら、ビルやら、
行き交う車やら、人やら、

頬杖ついて
ぼぅっと眺めている。

今日の気分は
ボーイさんだ
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