君に伝える/九谷夏紀
なりゆきを知っておいてもらいたくて
君に伝えるよ
不特定多数の君に宛てて
ある程度事が進んでから説明するのはすごく面倒なことで
やっぱり一人か二人か
そのくらいの人数でも良いから逐一情況を知っていてほしい
言葉だけでわかってもらえないことを一緒に感じられるのは
ちょうどそのとき、
だけだと思うから
以前にもいちばん信頼できる君に伝えていたことがあって
毎日会える君に一日何回も報告してた
君にとってはうんざりだったかもしれない
だけど君は擬似体験できるからと
ほんとによく話を聞いてくれた
なにも押し付けない君に
ただただ聞いてくれた君に
すごく感謝していたことを君は知
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