kiwi(連詩)/山中 烏流
摘み上げた嘴の
上枝の先に光るものを
私は今も
追いかけている
それは時に
鉛にもなるのだが
なぜだか、離すことが
出来ないままだ
足跡をみなよ
貴方の所まで
伸びたそれは
抱きしめた時の
影法師
呟いた唄は
いつしか風になるだろう
その一端に
私がいるとして
それはとても
望んだ答えに近い
遠く鳴る鐘は
飛び立つ瞬間の合図だと
教えていたのは
紛れもなく
私だと、いうことも
響く、羽ばたく瞬間の
メトロノーム
定期的な、それ
吹き抜ける貴方を
私は見上げる
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